ボリビア国際彫刻シンポジウムに参加して ― 川村兼章



川村兼章 作 『フィオ デ ボス』(森のおじさん) MANZANA 1の会場風景


10月10日から18日まで1週間、ボリビアのサンタクルス市で第2回国際彫刻シンポジウムが開催された。
これはWWFによる「1本の木キャンペーン」の一環で、熱帯雨林を持続的に管理し、1本の木を無駄なく有効利用しようという趣旨で行われている。
 前回は2006年に、サンタクルス市の管理下にあり3人のアーティストによるボランティアで運営されている「MANZANA 1」というギャラリーによって企画され、南米の彫刻家中心で行われた。
 今回世界規模で「MANZANA 1」が企画し20数カ国100名以上の応募の中からボリビア、アルゼンチン、チリ、モザンビーク、フランス、日本、トルコの7ヶ国から10人の作家が選ばれた。(トルコの作家は今回棄権)
 日本からは、江幡三香さんと川村兼章が招待された。
川村は68回新制作展の「狩人」で新会員に推挙されたが、この時来日し会場を見学した「MANZANA 1」の実行委員で彫刻家のJUAN氏の目に留まり今回招待された。
JUAN氏は、新制作展のカタログも購入しこの会の質の高さを評価している。
またジャパンファウンデーションによるサポートにより今回のシンポジウムへの参加が可能になった。





「MANZANA 1」のギャラリーは元警察所で、隣は、国会議員事務所として使用されている。
MANZANA 1とは、りんご1丁目つまりラテンでは市の中心地という意味らしい。
 ギャラリー内は別の企画展の他にシンポジウムの作家に1人3点まで小作品展示販売コーナーが与えられた。
 ボリビアでは、芸術の関心が高くほとんどの作品が売れた。また、新聞やテレビ等マスコミの取材も毎日あった。
会場での制作過程

材料となる材木は、形も種類も色も様々で、籤によって決められた。
川村はシチトリキという赤の染料に使う木に決まった。
この木は蔓に巻かれていたのか螺旋に深い溝があり、中心はムロになっていた。
 川村は今回のテーマに沿うように、かつての日本の里山のように人と森が一体となった作品をイメージした。
この木の前生態の厳しい環境であった証拠の螺旋の形態や、染料の元となる赤い樹皮を残しつつ、鑿で人を彫り上げることによって、人と木との繋がりを表現した。
 このシチトリキは銀杏に似た軟らかい樹皮に覆われ、その下に赤い繊維が現われる。
10mmほど彫ると白い銀杏の木のような繊維が現われ、20mm彫ると硬いローズウッドのような赤茶の繊維になった。
その先の芯はムロになっていた。
色や硬さなどに表情が変わる木であった。



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