新制作も今年は三四半世紀の75回記念展です。75回だからと言っても基本的に何も変わるところはありません。これ迄の仕事を進めるだけのことです。特別な心構えとか抱負のようなものはないのですが、確かに今年は一種居住まいをただすような緊張感はあります。
 日本はゼッタイ沈没などしません。大丈夫、リセットしてスタートすれば却って今までより良い世の中になるに違いありません。
 敗戦の時、私は小六でした。私は戦後をそのスタートから過ごしてきました。あの時代の日本よりは良い筈です。あの頃はなにも将来の保証などない最低の時代だったのに妙に明るかった。特に美術は明るかった。何もないのに何でもできるかの様だった。新制作も戦後の美術状況をリードしていた。いや新制作ばかりでなくどこの会も生まれ変わったような活気があった・・・。
 今年の企画のひとつに、戦後の新制作を顕彰しようと云うシンポジウムがあります。戦後の再生期の中で、第一第二世代の先人達が如何に日本の美術状況を牽引してきたか、また他の会や次第に起こってきた無所属の一匹狼達、海外から押し寄せてきた東西の動向も含めて立体的に掘りおこしてみたい・・・。
 新制作の創立の頃や、その掲げた宣言などは第何回記念などと行われる度ごとに検証されているのですが<戦後の>となるとあまり取り上げられていないんです。戦後は現在に繋がるものでありながらかなり歴史の彼方にバイバイしているので・・・。なにせ第二世代も創立会員同様もう殆ど亡くなっておられるので・・・。こちらも<おさらい>しておかないと・・・と云うことです。
 しかし、これは前半編のこと、後半はそれに絡んで≪新制作の今を噛みつく≫とでも云う編、これは私のような年代の者でなく、もう少し若い世代に引き受けてもらって・・・と、どう展開しますやら混乱は必至でありましょうが、それも期待して待望しているところです。


第75回展 委員長  渡辺 恂三
 



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